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スタンフォードのストレスを力に変える教科書

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「ストレスは体に悪い」というのは実は思い込み。
一見、え!?と思うようなトピックからこの本は始まります。
アメリカの健康心理学者・ケリー・マクゴニガル博士の本です。

これまで、「ストレスは体に悪い」とされてきました。
でもそれは、ストレスというものをこの世に送り出したハンス・セリエのある意味功罪。
そもそも、これまでの研究ではストレスとは一体何かという定義すら曖昧でした。
研究者たちが行ってきたストレスに関する研究の多くは動物を対象にしたもの
動物の鼻を抑えて窒息させそうにしてから、その時の反応を見たり
狭い水槽の中に閉じ込めておぼれ死にそうにした状態の反応を見たり
そんな状態で体に起きた反応と、人が普段感じるストレスの反応を一緒に論じていいのか
と、作者は一石を投げてきます。

そして、人間がストレスを感じた時の反応は実はたくさんある。
セリエも提唱した、有名な闘争・逃走反応(戦うか逃げる)のほかにも
チャレンジ反応や絆反応などがあり、命に係わる危険でない場合はこちらの反応をしたほうが
ずっと効果的だ、という風に続きます。
だから、ストレスは役に立てることが出来るというマインドセット(現実に影響する考え方)を
定着させると、現実にその通りになる、とマクゴニガル博士は提唱します。

ストレスによって生じるエネルギーは、行動だけでなく脳を活性化させる。
アドレナリンの影響で五感が研ぎ澄まされ、注意散漫な状態がストップして意識が集中される。
さらに分泌される脳内化学物質によって、やる気が起こる。
そして、ストレスがあっても危険な状態でないと脳と体はチャレンジ反応を起こし
プレッシャーのかかる状態でおやるべきことがやれるようになる。
(いわゆる『フロー』の状態はこのチャレンジ反応の特徴が顕著)
また、ストレス反応が起こると、力が湧いてくるほかに、人とのつながりを求める気持ちも沸いてくる。
自分にとって大切なものを守りたいという気持ちで勇気が湧いてきます。

このようなことが起こるので、人にとって大切なのは「ストレスは害になる」と思いこむことではなく
「ストレスによっておこる反応はうまく対応できるように体と脳が助けてくれている」と
捉えてやってみてはどうか、と筆者は提案しています。ストレスによって起こる反応も自分で選べるのです。

本には、ほかにも何にもストレスがない状態(=退屈)の人のほうが早死にする、といった研究結果や
トラウマを経験したときに、しっかりとストレス反応が起きていた人(ホルモン等)のほうが
のちの回復が早くPTSDを引き起こすこともなかった、という研究結果なども紹介されており
これまで、ストレス=悪、減らさなくてはと思っていた私たちに、「あれ?」と思わせてくれます。

ストレスに強くなる、ということは、ストレスを感じなくなることではない。
むしろ、ストレスによって喚起される感情や反応はしっかり感じて認めましょう、と著者は言います。
そのうえで、ストレスを感じた時に、「勇気」や「人とのつながり」や「成長」といった
人間ならではの底力を自分の中に呼び起こすことが大切なのです。
ストレスに強くなることは、ストレスを経験する中で積極的に自分自身を変えていくことであり
そのことがレジリエンスを強めることにもつながります。

心理学者の本によく見られるように、この本にもいくつかの自分でできるワークが紹介されています。
自分でやってみるのもよく、誰かとやってみたり、親しい人との会話でお互いに話してみるのもよく
学校の先生などには、ぜひ授業でやってみていただきたいなと思うものがいくつもありました。
新年度、お勧め読書の1冊です。

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