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尊敬する「師」が、いつだったか会話の中で
「カウンセラーは自分の評価をクライアントさんの出す結果でしてはいけない」
と言われたことがありました。

クライアントさんはいつかどこかで必ず花開く。
それが、たまたま自分とセッションしている期間のこともあれば
他のセラピストと過ごしているときかもしれないし
誰か友達と話しているときなのかもしれない。
「気づき」の時は必ず訪れるのだけど、
それを「自分との時間に起こさなくてはいけない」と思うと間違う。
そういう意味ではカウンセラーは孤独な仕事でもある。
それでも、「人の成長の可能性を信じられるかどうかがこの仕事の肝だ」
そんな風に言われているのを聞いて、なるほどなと思いました。

折に触れてその言葉を思い出しては、しみじみと納得しています。
カウンセラーはしばしば、「人を良くする人」という誤解を受けます。
確かに、カウンセリングを通して色んな気づきを得たり、
ご自分について色々思いを馳せたリ、といった作業をした結果
これまでよりも楽に生きられるようになったり、人間関係がスムーズになったりします。
でもそれはあくまでも結果であって、カウンセラーがお供しているのは
そこに至るまでの、しばしば長くて苦しい日々のほうだったりします。
「気づき」はあくまでも、起こさせるものではなくご本人の中に起きてくるもの。
カウンセラーの仕事は、
その人が「納得できる気づきを一緒に探す」ことなんじゃないかと思います。

気付かせる、ことが目的であれば、その人の日常の中で
例えば、説教されたり教えられたり叱れたりという行為の中で起こってくるかもしれません。
カウンセリングによっておこる気付きは、
誰に強制されるのでもなく、非難されるのでもなく
自分が心の底から願い欲するものにじっくりと向き合っていく中で起こってくるのだと思います。

その時として時間のかかる、周囲から見ればじれったくも感じる過程をご一緒出来るのは
目の前の相手の自分で成長する力を信じられるからなのだと思います。
これまでお会いしたたくさんの方々に、人の持つ底力を見せて頂いてきました。
咲き誇る大輪の花をお見せいただけることもあれば、そうでないこともあります。
そうでなくても、どこかでご自分らしい花を開かせる時が来られるのだと
私は、いつも心から信じていたいと思っています。