読みながら風景が描写されるようで、ぐっと引き込まれるような読書をしました。

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「スコーレNo.4 宮下奈都著」

物語は、ひとりの女性の子ども時代から大人になるまでが描かれています。
主人公麻子は、3人姉妹の長女。
自分とは全く見た目の違う、すぐ下の妹七葉とは違う自分は平凡で
可愛くもないし、人とのコミュニケーションもたぶんそんなに上手じゃなくて
いつも、なんとなく周囲に溶け込めない、自分に自信が持てない、そんな少女時代を過ごします。
そんな彼女は、2つの淡い恋といくつかの恋を経て社会人になります。
商社に就職したのに、なぜか配属されたのは靴屋さん。
実は有名でよいものをたくさん扱っている靴屋さんなのですが、靴のことは何も知らない。
靴を愛することもできない、職場にもうまく溶け込めない。
そんな彼女が、少女から大人になる中で、やっと気づいた「自分の一番大切なもの」
そして、物語の終盤に起こるとても素敵な出来事・・・

読みながら、最初はちょっと肩が凝るような「硬さ」から
だんだんに読んでいるこちらがにっこりしたくなるような彼女の柔らかい変化に
ぐっと心を掴まれてくるような物語でした。

 

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同じく宮下奈都さんの、「太陽のパスタ、豆のスープ」
こちらは、結婚式直前にいきなり婚約を解消されてしまった
明日羽が主人公です。
失意のどん底の彼女に、ちょっと風変わりな叔母が提案したのは
「ドリフターズ(やりたいこと)リスト」
結婚式のために溜めていたお金があるし、使っちゃえっ!
と、最初は消費型の願いから、そのうちに自分の本当にやりたいこと
なりたいことを見つめるようになり、その過程の中で心の傷も癒えていく。
物語の中で、自分らしくゆっくりと成長していく明日羽と
彼女を取り巻く周囲の人たちが何ともいい味を出しています。

夏の終わりの読書は、期せずして「女性の成長」が根底にあるような
読みながら、主人公の気持ちをありありと想像して「頑張ってっ!」と
応援したくなるような、そんなほっこりとした本たちでした。

宮下奈都さん、素敵な作家さんだなぁ・・・
話題になっている「羊と鋼の森」も読んでみたいなと思います。