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通勤途中のバスターミナルに本屋さんがありまして、
ついついふらり、と立ち寄ってしまいます。
ふっと手にした1冊ですが、心にじわっとくる本でした。

「ねこのおうち 柳美里」
物語は、いくつかのストーリーによって構成されています。
主人公は、猫と「誰」か。その誰かがどこかで誰かと繋がっていたりします。
最初の主人公はニーコ。
生まれたばかりのニーコは、雑種だというだけの理由で公園に捨てられます。
危うく死んでしまいそうなところをおばあさんに助けられ、一緒に暮らすことになりますが・・
そこから始まり、ゆっくりと流れていくストーリーは
猫たちの置かれた厳しい現状と、人間が生きる世界の哀しさを淡々と描いています。
登場人物たちのそれぞれの思い、人と人のすれ違い。
誰もが、あ、あるよね、と思うようなすれ違いや葛藤があり溜息をつきたくなったり
それでも、人間と猫の関わりにホロリっときたり
そうそう、人間も捨てたもんじゃないと思える出来事もあったりと
感情をゆらゆらと揺らされながらも、グッと一気に読んでしまう物語でした。

ひかるはねこを飼うようになって、ねこが全身から欲している温かさや長閑さこそ
自分の生活に必要なものだったということに気づきました。
何をしていてもしていなくても、猫の周りには平安としか言いようのないものが漂っている
とひかるは思いました。

猫好きとしては、あぁ、分かる分かると思いつつ読みました。
帯の解説は、中川翔子さん。
「愛を与えるのも、命を奪うのも同じ人間」との言葉が印象的です。
命に愛を与えることのできる人間でいたいな、と改めて思わせてくれる1冊でした。
しかし、ですね。この本は通勤途中の読書にはNGです(泣くから)