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水曜日は、看護学校の先生です。
90分×3コマ、みっちり授業しています。

その中のひとつが、「母子の心理と社会学」
助産師さんになる学生さんと一緒に、母と子を取り巻く状況や心理を学びます。
すでにお母さんの学生さんもいて、
それぞれ女性の視点から子どもを持つことや育てることについて考えていきます。

授業の中で紹介する研究のひとつに、
「大阪レポート」と「兵庫レポート」と言われるものがあります。
1980年代と2000年代はじめに、子育てをする母親たちを対象に行った調査です。
どちらの母親たちも、子育てに対する不安や孤立感などを訴えているのですが
80年代の母親には見られず、2000年代の母親に見られた変化がありました。
それは、女性に「自己実現願望」がみられるようになったこと。
80年代の母親たちは、子育て中に相談相手や話し相手がほしかった。
もちろん、それは2000年代の母親も同じです。
しかし、2000年代の母親たちは、子育てにサポートがあればいいとだけ思ってはいない。
子育て以外の、「自分の世界」を持ちたいと思っているのです。

毎年この話をするたびに、独身既婚にかかわらず学生さんたちは共感を示します。
まだ子どもを持っていない学生さんの殆どが、この先仕事もしたいし子育てもしたい
と思っているし、
子育てをしながら働き、さらに学びを深めている学生さんたちは
仕事もして、子育てもした。それでいいと思っているけど、周囲の目がつらいこともあった。
そして、子育てだけに専念しなかった自分に「罪悪感」も持っていた、など語ってくれます。

育児不安とは・・・
子どもがきちんと育つのか、自分の子育てはこれでいいのか、
そんな心象だけを指す言葉ではありません。
結婚出産をきっかけに社会から離れ、子育てだけに専念する母親の焦燥感や
仕事をしながら子育てをしていいのだろうかという働く母親の罪悪感も含まれます。
そしてその育児不安は、専業で子育てする母親のほうが強いのです。

子育てという素晴らしい世界に、専念できない女性はわがまま。
そんな論調も目にします。
ですが、立場が変わって男性が子育てに専念しても、職業生活から離れると
男性にも同じような不安が芽生えます(ここは、あまり知られていないかも)

子育てしながら、働く。
その働き方も含めて男女ともにもっと多様な選択肢が増えていくといいな、と
働きたいし、結婚も子育てもしたい、という学生さんたちを見ながら
しみじみと思う、水曜日です。